金先物、米関税のニュースで最高値更新──ビットコインのセーフヘイブンとしての魅力高まる可能性 | CoinDesk JAPAN（コインデスク・ジャパン）

• 米国金先物価格は8月8日、政府が輸入金地金に対して関税を課すと報じられたことを受け、1オンスあたり3534ドルに達した。
• 輸入コストの上昇は先物価格の上昇を加速させ、投機的な取引を惹きつけている。
• この動きは、ビットコインやトークン化された金市場に波及効果をもたらす可能性がある。

米国政府が輸入金地金に関税を課すと報じられたことを受け、米国の金先物価格は8月8日、史上最高値まで急騰した。これは、通常このような貿易措置とは無縁である市場において、セーフヘイブン（安全な避難先）資産としての買いと、供給面での混乱に対する新たな懸念の両方を引き起こす異例の動きである。

米国で最も活発に取引されている金先物契約は、米税関・国境警備局が、1キログラムおよび100オンスの金地金に報復関税が課されると述べた後、1トロイオンスあたり3534ドルまで上昇した。

関税は、米国の買い手にとって輸入金をより高価なものにする。このコスト圧力は通常、先物価格を現物価格よりも高く押し上げ、トレーダーに裁定取引の機会を生み出す。

このような状況は投機的な買いを煽る可能性があるが、同時に地政学的なシグナルも発している。金は歴史的に、競争的な製品というよりも通貨に近く、貿易戦争の対象外と見なされてきた。

この動きは、米国の金の輸入の大部分がスイスから来ており、同国は今回の政策で最も高い関税率の課された国の一つであるため、注目に値する。この供給源のコストが突然増加すると、供給が減速した場合にショート・スクイーズのリスクが高まる可能性がある。

ビットコインの批判者であり、金の支持者であるピーター・シフ（Peter Schiff）氏は、Xへの投稿で「トランプによる100オンスおよび1キロの金地金に対する関税は、COMEXに大混乱をもたらす可能性がある」と述べ、次のように続けた。

「ロングが受け渡しを受ければ、スイスから地金を輸入するために39%の関税を支払うことを避けるためにショートが買い戻しに殺到し、価格は急騰する可能性がある。輸入しないとしても、そのような地金はすべてプレミアム付きで取引されるだろう」。

この値上がりは、西側諸国で金利が引き下げられ、世界的な貿易摩擦がすでに高まっている時期に起こった。これらの要因は、経済の不確実性下で価値の保存手段としての金の魅力を強める傾向がある。

歴史的に、金の力強い上昇は、一部のトレーダーが代替の「セーフヘイブン資産」と見なすビットコイン（BTC）の上昇と一致することが多かった。トークン化された金商品であるパックスゴールド（PAXG）とテザーゴールド（XAUT）は、過去24時間でどちらも小幅に上昇したが、ビットコインは約1%下落した。

金に対する関税は、関税の対象とならず、「デジタルゴールド」と表現されることもあるビットコインにとって、有利な材料となる可能性がある。金は依然として主要なセーフヘイブン資産であるが、今回の価格急騰は、政策変更がいかに投資家に選択肢を再評価させる可能性があるかを示している。

ホワイトハウスの当局者がブルームバーグに対し、トランプ大統領は金地金の輸入を関税の対象とすべきではないことを明確にする大統領令を発するだろうと語り、それ以前の関税に関するニュースを「誤情報」と呼んだため、米国時間8日午後の取引時間中に、現物金価格と金先物価格の両方が下落した。

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